2006-01-01から1年間の記事一覧

近藤ようこ

「極楽ミシン」 近藤ようこってすごい漫画家だなぁと思う。内容は小説的。絵の構図もすばらしい。捉え方、角度など。漫画表現の新たな面を知った。大人の漫画だと思う。内容は人生の一部。その人の、生き方を徐々に浮かび上がらして、最後にその人の生き様の…

永井豪

「切れた糸」 SF短編傑作選、みたいな本。SFのキモを押さえていてよくできている。藤子不二雄に似ている。人間性はもっとドロっとして、グロテスクでえげつない。これを読んでから「デビルマン」を読むべきだった。そしたら「デビルマン」の奥深いところをも…

永井豪

「デビルマン」 グロテスクの一言。そのグロテスクさに、変な真髄さを持たした点で読む価値があるかなぁ。小学生高学年くらいに読むべきだと思う。愚直にグロテスクだから、直接胸打つのは、それくらいの時期がいいと思う。赤塚不二夫みたいなもんやなぁ。ま…

近藤ようこ

「見晴らしガ丘にて」 インテリの文学青年が、浅学な文学知識を披露して、思いを寄せる女性に優位に立とうとする。が、しかし女性の方が上手で、青年のとってつけたような文学嗜好のさらに上を実は行っている。そうしか関係を見せながら、最後、その関係の結…

干刈あがた

樹下の家族/島唄 (福武文庫)作者: 干刈あがた出版社/メーカー: 福武書店発売日: 1986/09メディア: 文庫この商品を含むブログ (1件) を見る 基本的に人生を「肯定」することに向かおうとする。だけど目の前にあるのはただの閉塞感。学生紛争の時は、「明確な…

干刈あがた

どこかヘンな三角関係作者: 干刈あがた出版社/メーカー: 新潮社発売日: 1991/03メディア: 単行本この商品を含むブログ (1件) を見る 安西さんの「『ふ』の書き方がわからなかった」なんてエピソードから、安西さんの"不思議な不思議方"を取り上げるところが…

諸星大二郎

「彼方より」 ぜんぶ読んでたんで、わりかし中心的な部分はつかんでるなって思った。

くらもちふさこ

「わずか5センチのロック」 こうやって男の子と接近して、告白されるのが女の子は喜ぶんだねって感想。

永井豪

「ダンテ」 現世の罪が、死後の世界でどのように罰せられるかって話(だから現実でちゃんと生きろよってメッセージ)。だけどやたらとマゾヒスティックな描写に目がいった。あと体の描き方が筋肉マンチックだと思った。

ユービック

フィリップ・K・ディックユービック (ハヤカワ文庫 SF 314)作者: フィリップ・K・ディック,浅倉久志出版社/メーカー: 早川書房発売日: 1978/10/01メディア: 文庫購入: 14人 クリック: 175回この商品を含むブログ (107件) を見る これはきつい。得るものがほ…

美しい水死人 ラテンアメリカ文学アンソロジー

美しい水死人―ラテンアメリカ文学アンソロジー (福武文庫)作者: ガルシア‐マルケス,木村栄一出版社/メーカー: 福武書店発売日: 1995/03メディア: 文庫 クリック: 9回この商品を含むブログ (10件) を見る『閉じられたドア』ホセ・ドノーソ 「いつか、ほかの人…

狼の太陽

マンディアルグ、生田耕作訳狼の太陽―マンディアルグ短編集 (白水Uブックス)作者: アンドレ・ピエール・ドマンディアルグ,生田耕作出版社/メーカー: 白水社発売日: 1989/07メディア: 新書 クリック: 4回この商品を含むブログ (5件) を見る 陶器の縁まで泡を…

火星のタイム・スリップ

フィリップ・K・ディック火星のタイム・スリップ (ハヤカワ文庫 SF 396)作者: フィリップ K.ディック,小尾芙佐出版社/メーカー: 早川書房発売日: 1980/06/01メディア: 文庫購入: 1人 クリック: 7回この商品を含むブログ (27件) を見る ジャックは言った。「…

口に出せない習慣、不自然な行為

ドナルド・バーセルミ 口に出せない習慣、不自然な行為 (現代アメリカ文学叢書)作者: ドナルドバーセルミ,Donald Barthelme,山崎勉,邦高忠二出版社/メーカー: 彩流社発売日: 1994/05メディア: 単行本購入: 1人 クリック: 13回この商品を含むブログ (14件) を…

ウォーク・ドント・ラン

村上龍 (著), 村上春樹 (著)ウォーク・ドント・ラン―村上龍vs村上春樹作者: 村上龍,村上春樹出版社/メーカー: 講談社発売日: 1981/07メディア: 単行本 クリック: 31回この商品を含むブログ (37件) を見る 龍:でも、ふと「僕って何だろう?」って思うとき、…

すらすら読める論語

加地伸行 (著) 「高橋和巳全集 第12巻」より引用 そのあまりにも簡単な言葉が、この人間界のいかんともしがたい<不条理>に対する、いかんともしがたい嘆息であったことが解ってくる。汲々として徳行にはげみ、そしてなんら酬われることなく業病に倒れてゆ…

保坂和志

Mammo.tvより引用 ――小説を書き続けられているということは、それが楽しいからだったと思いますが、保坂さんが小説に感じられている"楽しさ"とは何でしょうか。 まず、言葉の定義から話すと、楽しいことというのは、明るく笑っていられるだけのことじゃない…

文学概論

山村嘉己 文学はつねに、すべての物に対して、負の姿勢を保つものであることを忘れてはならない。負はけっして無を意味しない。それは数学でいうマイナスのことで、プラスと対立して厳然と存在するものである。〜。それはちょうど実数に対する虚数のように明…

漢文学

日原利国 「荘子」 自然に従って、人間のさかしらを捨て、安らかで自由な生活を楽しもうとした。それは、汚れた暗い現実社会を見つめ、人間存在の有限の自覚から生まれたものであろう。現実にいかに対処するか。人生をどのように生きるか。平和な時代に、陽…

現代写真のリアリティ

現代写真のリアリティ作者: 京都造形芸術大学,京都造形芸術大=出版社/メーカー: 角川書店発売日: 2003/06メディア: 単行本 クリック: 3回この商品を含むブログ (5件) を見る「私」を旅する目 大島洋 カメラを手にすると人は旅に出たくなるのだ。いわばカメラ…