授業づくりの構造

授業づくりの構造 (TaiShuKan 国語教育ライブラリー)

授業づくりの構造 (TaiShuKan 国語教育ライブラリー)

 趣旨は、国語教師として、「授業」とは、どのように考えるべきか、というもの。 
 そして、その「授業」以前の問題として、「国語」という科目をどう考えるべきかもはっきりさせる。

  • 発問に対する生徒の回答を、"つなげる"。単発で終わらせない。
  • 発問は、単純な質問ではなく、「〜についてどう思いますか?」という"話し合う"形のものにする。単純な質問ではなくに、『自分は』動思うのか、という聞き方をする。なにか、先生の質問に対して、はじめから答えのあるものではなく、個々各々が『自分』を出せる質問にする。
  • 自分の意見を言えるようにする。理由を述べられるようにする。論理的に話せるようにする。=『表現力』≒『国語力』。読んで、理解して、そして表現させる。この能力を育てたせる。読み、理解、は先生の説明でできる。表現させる、には工夫が必要。助長せせる、促進させる、示唆する、まさに育てる、助力する、後ろから助ける。そういったイメージ。読解とは、明確に違う力が必要となる。

 何も難しく考えずに、その生徒に、自分を出させる、ということが第一歩だろう。国語の苦手な生徒には、意識的に、この作品を読んで、なんて感じた?どのように思った?」と問いかける。そのレベルからはじめる。そこから、理解が進んでいる子には、もう少しレベルを高くして、「この主人公は、この時どう思ったの?」「テーマはなんだと思う?」など、作品が伝えようとしていることに関して、意図的に問いかける。でも、この時、決して、正解があるような感じで問いかけてはいけない。上の質問ではダメかもしれないが、問いかける生徒に、「自分はこう思った」と、「自分」が出せる質問をする。「この場面を読んで、思ったことある?」とか、「ここまで読んで、自分だったら、こうするのにとか思う?」など。

 国語教室は、それを指導する指導者の固体史の中での受けてきた国語教育のままに運営されるといってよい。そのことを考えると、教科書教材に寄りかかった読解学習が国語の授業、国語の学習であるという思い込みから解放される必要がある。

  • 教材に、生徒との"接点"を見つけさせる。提示する。「自分と同じなんだ」と思わせる。登場人物のキャラクター、家族構成、時代背景