事実とは何か
- 作者: 本多勝一
- 出版社/メーカー: 朝日新聞社出版局
- 発売日: 1984/01
- メディア: 文庫
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いわゆる「瞬間」ばかり重視し、その報道をもって歴史の証言者たりとする視点は、結局は権力のなすがままにまかせる反動的行為である。そうした「瞬間」にいたるまでの本質的背景こそが、より重大な瞬間の積分なのだ。
- 客観的報道は不可能、立場のない選択はありえない。
- 主観的事実こそ、本当の事実である。
正確な事実とは何かについての以上の認識をもってすれば、表現とは何かについても自ら明らかになってくるでしょう。事実の再現が絶対的に不可能である以上、問題は事実なり矛盾なりの本質をどう捉えるかにあり、そのための手段としてさまざまな表現が選びうることになります。