信仰の現場
- 作者: ナンシー関
- 出版社/メーカー: 角川書店
- 発売日: 1997/06/01
- メディア: 文庫
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たったひとつの「○」という記号を提示することで、3万人もの人間の感情を確実に両極に分けることができるのだから、クイズというのも大変なものである。
こういう風に、「おかしなこと」をはっきり主部で表示して、述部で明確に結論づける。こういう境目を記述できるのがすばらしい。そこを見定めることができる眼力がある。だから企画として成立する。なんとなく面白そうではじめてしまっても、実行中で眼力がなかったら、おじゃんだもんな。
ここに年寄りが集まってくる理由は明らかだ。毒蝮は、自分のことを「ちょっといい話」の主人公にしてくれる。この魅力が年寄りを引き寄せるという方が、無理のない構造といえるだろう。
「おかしなこと」をちゃんと人間のエゴに回帰できる。