古典がもっと好きになる

柔軟な思想の持ち主による、古典の面白みを伝える本。
古典って基本的に自由で面白いものであることが感じられる。
文法に執着しない。徒然草の時代背景を読む。戦乱の時代に、このような無常観の本が書かれたということ。たしかに時代背景が分からないと、古典の内容はわからないことが多い。あまりにも現代とかけ離れていると考えてしまう。通い婚など。
 『堤中納言物語』これをめぐって、本を探している時に、ふと「古典の世界につかるのも面白いな」と感じた。なんというか、心を感じた。古典には、人情があるな、と。そこを愛でる心の豊かさ。

 中世は話し言葉が激変。しかし、文化をリードしていた貴族は平安時代の文化に固執。そのため平安時代の言葉が書き言葉となった。ゆえに、室町・江戸時代の書物には、古典文法の乱れがある。よって教科書にはあまり掲載されない。

 大人(国文学者)によって権威づけられた古典しか教科書にのらない。明治政府が「国文学」をつくった。今、古典と選ばれているものは、たぶんに国家の思想が働いている?

 僧の説経は、喜捨を得るための宣伝。観音のご利益をうったえる「宣伝の効果」が、説経には残させている。

 こういう古典の裏にある、リアルな背景を知らないと、納得でき名部分が多々あるな、古典って。