子どもの宇宙

 秘密、欠点を聞くことは、必ずしも恥ずかしいことではない。心理療法士の仕事は、この『秘密』を聞くことである。事実以上の価値をもつ秘密を「共有」することである。

 心理学系の本は詩みたいに思える。とくに、こういう臨床系は。ほとんど流れにのっからないと、わからない。言葉の表層だけを追うようでは、けっしてつかめない。書かれていること以上のものを感じないと。それと、読んでいて、ほんといろいろなことを考える。「自分だったら」とか「これは共感できる、わかる」だとか。こうした読書の感想って、学術書では味わえないような、臨床系の本でしか味わえないような感覚がある。事例と、結論みたいな部分を読むに。