現代社会の理論

 原始的な必要であれ新しい必要であれ、すでにみたように現代の情報消費社会は、人間に何が必要かということに対応するシステムではない。「マーケット」として存在する「需要」にしか相関することがない。システムそれ自体の運動の中で、ますます複雑に重層化され、ますます増大する貨幣量によってしか充足されることのできない「必要」を生成し設定しながら、「必要」に対応することはシステムにとって原理的に関知するところではないという落差の中に、「北の貧困」は構成されている。

 "現代の"「南」の人びとの大部分が貧困であることは事実だ。けれどもそれは、GNPが低いから貧困であるのではない。GNPを必要とするシステムの内に投げ込まれてしまった"上で"、GNPが低いから貧困なのである。

 なんとなく全共闘な感じだけれど、こういった言葉に心打たれる部分が自分にはあるな。なんというか、あるシステムに組み込まれた上で、格差ってできているわけだし。