批評の事情―不良のための論壇案内
- 作者: 永江朗
- 出版社/メーカー: 原書房
- 発売日: 2001/08/01
- メディア: 単行本
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宮崎の主張のなかには、一見すると間違っているように感じるのだけれども、よく考えてみると正しいのではないかと思わせる逆説がいっぱいだ。見かけも中身もいかにも正しそう、というのとは違う。「間違っている」と思わせて、読者に突っ込ませ、でもその突っ込んだ力を跳ね返すのではなく、ふわりと応用して説き伏せてしまう。
「情報そのものが単独で意味を持つケースというのは、かなり少ないのだ」
「情報は、何か意思決定して行動するためのツールとしてのみ意義を持つ。価値があるのはその意思決定なのだ。価値を本当に生み出しているのは、その情報と意思決定に基づく行動なのだ。」
「インターネットで何ができるか。インターネットでなければできないのは何か」を熟考したうえで書籍販売に帰着したことを重視している。
坪内裕三
マニュアル書を求め、「活字でしか味わえない世界」の喜びを死滅させようという社会を撃とうというパフォーマンスだ。