ご冗談でしょう、ファインマンさん〈上〉
社交とは一時が万事この通りだ。もうその頃はぼくも、「ホホホ」と笑われても、「ホホホとはどういう意味ですか?」などとまぬけなことはきかなくなっていた、「ホホホ」とはすなわち「へま」ということだから、あわててそのへまを何とか収拾する方法を講じなくては…と思うところまで進歩してきたのだ。
そしてこの僕もやっぱり同じことを学生に忠告している。若者はすべからく広い世界に出て、外を見てくることだ。事物の多様性を知ることは大切なことだからだ。
僕たちは「できるけどやらないだけのことさ」といつも自分に言いきかせているわけだが、これは「できない」というのを別な言葉で言っているだけのことなのだ。