思考のレッスン

u09042007-09-13

丸谷才一

 あらゆる運動において、より過激な論調を出した方が強いんですね。優勢になる。

・ジイド、サルトルの小説が面白いのは、小説として面白いのであって、政治的な部分は関係ない。それを日本人の評論家は政治的な部分に目をあてて論じようとする。

 近代日本文学における自然主義私小説、虚無好き、「生きることは虚しい」といった人生への拒否、そういうもんが吉田さんは大嫌いだった。それは僕もまったく同感。

 丸谷さんの本も、思考の道筋が楽しめますね。なぜこんなことが、という謎がまずあって、大胆な仮説が提供される。そこから話は、突然、横道に入るんだけれど、少しずつ本筋に近づいて、アッと驚く結論に至る。

 通勤にもってこいの本だったな。軽く読めて、タメになる。うん良書。こういう本をこれからも通勤用に選別してかないとな。