山本おさむ「どんぐりの家」

u09042007-03-12

この子は、ただ無為に生きているのではない。
生きぬこうとする決心 生きぬこうとする必死の意欲を持ち、
自分なりの精一杯の努力を注いで、生活しているのだ。

社会にはいろんな人がいるじゃない。
健康な人、病気な人、若い人、お年寄り!
私たちだって、子どもたって、その中の一員なのよ!

彼等が私を教師にした。
この子達が私の先生だった。

この両親もきっと、そういう思いを抱きながら苦しんできたに違いない。
そして、いつかどこかで何かを契機に絶望をくぐりぬけ、そう決心したのだろう。

教室へ入る事によって起こる変化を恐れているのだろうか...
自分のなかの入ろうとする気持ちと入るまいとする気持ちに引き裂かれ
コントロールできずに苦しんでいるのだろうか。

重い障害に覆われたこの子達は、それぞれに自分の内面の世界を持っている。
そして自分なりの方法で外の世界にはたらきかけている。
それに気付かず見落としているのは むしろ、自分なのだと...

あなた達はいつもそうよ...
手話を趣味みたいに考えて、手話だけを楽しもうとする。
手話と必要とする、聴こえない人達の事は見ようとしない。
ボランティアをやりたいって言いながら、何か気にいらなければ簡単にサークルをやめていく。
自分の安全なラインを引いて決してそこから出ようとはしない!
手話をやめても"どんぐり"の支援をやめても、何ひとつ困らない!!

弱い者を蹴落としてでも豊かになって行こうという競争原理の社会に、
みんな疑問を感じはじめている。
そんな人達が集まって、何か新しい価値観を作ろうとしている。
そんな運動じゃないかって気がするんです。