CUBE

CUBE [DVD]

　いまちゃんと見ました。どういう映画かはわかっていたけど、ちゃんと見たことはなかったんで。
　う〜ん、すごい良かった。もっとエキセントリックな映画かと思いきや、登場人物それぞれの個性、人間くささがちゃんと描かれていて、そこで起こるイザコザも見ていて理解できるもの。黒人の男が手を離すあたりとか衝撃。あと女と二人で逃げようとするあたりとかも、性的に走るあたりも、納得する。それ描かなきゃ嘘だよな。まぁしかし、やっぱあの女の子の殺され方とか、ショッキングな描き方やと思う。ちなみにCUBEの構造とか、数学的な意味合いはよくわからんかった。けど、人間ドラマとして見ごたえがある映画だと思う。こういうＳＦって意外と単純な発想だから、だれでもつくれそうなものなのに、作ってなかったんだなぁと思う。そして、アイデアだけでヘボいものを作ってしまいそうになるテーマだと思うけど、そうならなく、ちゃんとしたものを作ってると思う。１時間３０分ってのも理想的だと思うし、変にヒロイックな主人公が出ないあたりもいい。やっぱ黒人の人がネックだと思う。ふつうの人間、警官だとか、そういう職務の人のエゴが、ああしたCUBEってとこに存在すると、理性的な怖さがあると思う。異様な狂気を持った人よりも、映画としてはリアリティを与える怖さだ。あー、これは面白いよ、ちゃんと見た甲斐はあった。やっぱ、こういう衝撃的で斬新な映画を見ないとだめだ。何千とある下らない映画の、その下らなさを知るためにも。そして映画のすごいさを知るためにも。こういう映画を見ると、人生の大切さだとか、充実して生きないとダメだとか、日々をしっかり生きよう、だとか、そういう気持ちになる。良い映画は人生にポジティヴな考え方を与えてくれるものだ。より良い映画を見ようと思うし、はきはき生きようって思うしな。これは音楽、漫画、本もしかり。