[社会]差別原論

新書367差別原論 (平凡社新書)

新書367差別原論 (平凡社新書)

 差別する側」「される側」と、一線を引くことが問題。
 そうした線引きの前に存在する"違和感"みたいな感覚にこそ目を向けて、じっくり考えるべき。「問題」と確定される以前に、ほんとうの「問題」が存在する。
 コミュニケーションをしないとおしまいである。「する側」「される側」と隔たりを創ってしまった時点で問題は解決しなくなる。
 日常に差別は存在する。差別する側は差別だとすら感じていない。

*まず自分が差別をしていないか。ちょっとしたことが差別をはらんでしないか。相手を思いやっているか。自然に行ってしまう言動が、実は相手を差別している。
 社会が共有している常識に従うことが、差別していることになる。
 そもそも、他者を認識するということに、差別を行う危険性をはらんでいるようにも思う。自分との差異をはかるときに差別をおこなっているような。