表現を味わうための日本語文法 もっと知りたい!日本語
かなり面白かった。
文法をこういう風に、生身の言葉を題材にして考えるという発想がまずなかった。
宮沢賢治の「注文の多い料理店」のラストなど、最高だである。ああいう発想なんだな。言葉を科学的に捉える、吟味して考える、というのが文法であるのだと。
なぜ、その『表現』でなければならないのか、を考える。
*表現=表現形式。表現の選択。
言葉は、書き手と読み手の、相互理解によって成り立っている。
そのため、そこには一定のルールがあるはずである。
「不自然な表現」を考えてみる。 *「不自然な表現」=「言えない表現」
そして、「自然な表現」と「不自然な表現」の境目をはっきりさせる。
文学的な文章を、文法の面から分析してみることによって、
私たちの言葉のルールを探っていく。
・表現が大きくかわる例。
※ 主語をどう選ぶか、名詞をどう関係さすか。受身の構造をとるか。
他動詞をつかわない。「鳥が魚をとる」とは描かない。
主体(「魚」)の動きしか描かれていない。「魚が上へ行った」
→現象を現象のまま見る。
→不気味な印象を与える。
*宮沢賢治『クラムボン』