Blue Sky

やまだ紫
 人間関係の幸せってなんだ、と考えた。子どもがいて、ある意味、理想的といえる夫のような存在がいて、それでもいろいろ考える。主人公の内面に深く入り込むことがなければ、この話ってすごく幸せなストーリーであるように思う。とくにこれといったことが起きない、平凡な。その中で、ここまで緻密に心理描写を重ねて、物語を紡ぎあげていくあたりが素晴らしいな、と思う。その一方で、こうやって確かな人間関係を築きながらも、人は悩むものなのだな、と思う。こんなに大人の考えをもっていながらも、どうやって子どもに教示していこうか、と言う部分で悩む。主人公って、他人から見れば、すごくできた人なんだろうけれど。現実に、大人と思える人も、この漫画のように、独特の悩みを抱えるものなのかも。
 それと、創作という視点からみるに、はじめに、子どもを二人もつ離婚した女性が、バーを切り盛りしながら、一回り年下の男性と恋に落ちるってのはあったんだろうな。そのシチュエーションを、こうやって掘り下げて、ストーリーをつくれるあたり、さすがだなと。