キャリアデザイン入門〈1〉基礎力編 (日経文庫)

キャリアデザイン入門〈1〉基礎力編 (日経文庫)

キャリアデザイン入門〈1〉基礎力編 (日経文庫)

 さまざまな職業の経歴を振り返ったときに、自分が費やしてきた時間をきらきらと光るものとして受け入れることができるかどうか。仕事をしている時間を幸福な時間として実感することができていたかどうか。それことがキャリアの成功である。極めて自分の心の中の問題であり、成功の姿は一人一人異なるのだ。

 〜キャリアというものは偶然性に支配されている。いくらしっかりキャリアデザインをしても、仕事や人との偶然の出会いがキャリアの方向性を大きく変えることになる。そのため、問題はその機会をつくる力であり、そして、活かす力があるかどうかということになる。

 本当に自分の可能性を見極めたいのなら、死に物狂いで仕事と格闘しなければならない。

 よく見られる失敗は、過度に適応しようとしすぎて、自分を押し殺してしまい、本音のコミュニケーションができなくなり、自分を理解してもらえないということである。

 自分と異なる人生経験を持ち、異なる価値観を形成している人とも、お互いの立場を尊重しながらコミュニケーションが取れるということは、仕事上必要不可欠なもので、この力がないと対人業務はほとんどできないといってもいいだろう。顧客の価値観を理解し、尊重できない人に顧客接点は任せられないし、チームで仕事をすることもできない。それは面接官との会話でもすぐにわかってしまうので、合否に大きく関係するわけだ。

 はしゃいだり、怒ったりということは心の中だけで行えばよい。外に出すのは冷静な自分でなくてはならないということなのだろう。感情的に振舞うと多くの場合、損をする。喜んでいることを見せても足元を見られるだけだ。
 それ以前に、あまり喜怒哀楽がはげいいと安定して仕事ができない。
 感情制御力を高めるためには、自分自身の感情や周囲との現在の状況を客観的に見る習慣をつけることである。効果的なのは、ちょっと目をつぶり瞑想することだ、

 経験の機会をうまく捉えて自己変革を行う段階へと至る。

 実践力とは、立案された計画に基づき、それを実際の行動に移す力である。

 「まずやってみよう」という考え方ができて、着手までの時間が短い人ほど問題解決のゴールへは早くたどり着くのだ。

 このような、一定の条件(ある目標をクリアできなかったら撤退する)付きで実践行動に入る方法は、組織や個人の実践力を高める上で有効であろう。