図解 意外な真実!地図が解き明かす日本史

　頼朝が平泉の藤原泰衡に義経を討つように命じたのは、藤原氏と義経を同時に滅ぼそうとする頼朝の策略だったってのが一番おもしろかった。頼朝が直接行けば、武術に長ける義経に負けるかもしれない。また、藤原氏を滅ぼす名目も欲しい。その２つを同時に満たすのが、藤原氏に義経を討つのを命じること。藤原秀衡はそれを知っていて、義経を討たなかった。歴史って、こういう風に裏を考えていくと面白いんだな。ドラマがあって。
　あと、東海道より人気の無かった中山道は、追剥も少ないため女性に人気だったってのも面白かった。甲州街道は徳川氏がもしもの時の避難用につくった街道だってのも知らなかった。

　街・道・山・海を歴史と絡め合わせて考えるってのがこの本の趣旨。とってもいい目線だと思う。おれ自身もうちょっと歴史と地理を知っていれば、もっと面白いんだろうな。