イントゥ・ザ・ワイルド [DVD]

イントゥ・ザ・ワイルド [DVD]

社会のしがらみから逃れ自由になろうとすると同時に感じる孤独感。
その葛藤。
主人公の行動には、一番身近な家族への思いが関わっている。

「ずっと抱えていた、すれ違い」
「人生に必要なのは、実際の強さより 強いと感じる心だ」
「人を許せたときに、人を愛せる」

自由とか、愛とか、希望とか、そういったものが充満しているようで
でも、それらは繋がっていかない。
到達しえない感じで、悲しみというか、そういったものが
何か背景に流れているように思う。
その時の目は美しいのだけど、でも何かに繋がってはいかない。

老人との出会いからの流れは意外性がある。
彼はただ理想を追っているだけではなくて、自分の抱えている問題が、それが理解できていて、ただ解決ができない、衝動へ向かっていかないと解決ができないようなことで。それが「理想」を求める行動のようにも見える。
老人に、少しきつい口調で、「社会にでるように」というのは、彼の旅の間にずっと心にある言葉のように思う。何かを追いかけているのではなく、とどまれない、流れいていく、そういったイメージ。
養子になる、家族、家を出た息子とか。何かとどまった、主人公にとってはつかめない「家族」の持つイメージが映画にあって、鮮やかに流れている映像の中に、そのイメージが旅のはかなさを強める。
「自然」は、何か、家族や人とのつながり、そういった人間らしいものを印象付けるように表れる。決して「荒野」ではない。